今日取り上げていくフリーゲームはリクエスト頂いた「Rapid Quest」の紹介です。

Rapid Quest

2016年11月にRPGアツマールでは公開されていますが、作者であるシロガネさんが制作したオープニングデモのサンプルとして元々作成された作品です。

▼プラグインの紹介動画(作者さん作)

ゲームなんかでよくある、タイトル始まる前にストーリーとかが紹介されるシステム(ゲームのデモプレイ)をツクールMVで導入できるプラグインです。そんなプラグインのサンプルゲーとなるんですが、実際にプレイしてみるとコミカル要素を含む探索よりの短編RPGとして遊べる作品になっています。今回はプラグインのサンプルとしてではなく、純粋にフリーゲームとして紹介していきます。

物語は、はるか昔に魔王が封印された世界が舞台。過去の戦いでは多大な犠牲を払って戦ったものの、今回の魔王との戦いは……

まだ物語は序盤のはずなのに、魔王が惨敗。というのもそこには秘密があり……。

なんと、泉の女神が勇者たちに魔王の仕掛けをネタバレをしていたとのこと。

ネタバレによって敗北に期した魔王でしたが、世界の支配は諦めません。復活を誓い、再び世界を狙うために消えていきますが、何度倒しても復活していきます。

あなたは勇者となリ、女神様のネタバレを活かしながら、魔王討伐を行っていくことになります。

「ネタバレ」を活かしてコミカルな探索! 魔王を倒せ


本作品は「ネタバレ」といういわゆるヒントを活かして魔王を討伐していくことを目指していく探索よりのRPGです。

貰ったヒントを元に小さな世界を探索し、魔王討伐を目指していきます。

特定のポイントに足を踏み入れてしまうとエンカウントが発生、魔王との戦いやザコ敵との戦闘はコマンドを入力して戦う一般的なRPG的な戦闘ですので、RPG要素もあります。しかし、ネタバレの項目を満たせばレベル最上限になるアイテムを取得できます。基本はこのネタバレアイテムや同じくネタバレを元に進めていくと手に入ることの多い最強装備を活用して戦っていくのが基本です。やや魔王は強めですが、イベントをこなして最強装備&レベル最上限にしてしまえば、回復一発使えば倒せるレベル。ザコ敵との戦いも、エンカウントポイントさえ見極めてしまえば、スルーしていくことも可能です。

そのため、基本はネタバレを元に探索していくような構成です。章という形で複数のパート&ネタバレが用意されており、内容は多彩です。おちゃらけているものも多く、ネタバレがほぼ行動内容になっているので、手軽な気持ちでプレイできます。また、各編同じマップで構成されているので、繰り返し進めていくと単作の効率も良くなってきます。

ネタバレを元に繰り返し魔王を倒していくことで、各章クリアの証も手に入っていきます。

進行中には数々の罠もあったり。無事にあなたはネタバレを活かして魔王を討伐していけるのでしょうか。

ネタバレ&周回世界仕掛けは多彩。終盤の展開にも注目


Rapid Questはネタバレを元にして小さな世界を探索していき、魔王討伐を行っていきます。

ネタバレ自体は全体的にコミカルな感じ。魔王討伐とは思えない場所がキーポイントになっていたり、工程を踏んでいく過程が「なんじゃこりゃ」みたいな設定になっていたり。

シュールな笑いとかも取り入れているポイントが多く、思わずくすっと笑ってしまうようなものが多めです。

世界自体は小さく、各章で同じマップを周回していくことにはなるのですが、各章ごとにちょっとずつ違う世界になっているので、変化のある場所を見つけると「怪しい!」「えっー!」と思うこともあります。小さい違いを見つけた時とかは心が躍る感じです。

また、注目してほしいのが終盤です。終盤になると、それまでのコミカルな設定をうまく活かしつつも大きな展開を迎えていきます。ちょっとしたアクションや謎解きに近いパートなんかも入ってきます。やや真面目路線になるのですが、それまでのコミカルな設定も取り入れつつ、真面目な要素とコミカルな要素をバランスよく取り入れていて、引き込まれていく感じがあります。

終盤は終盤で専用のちょっとした収集要素なんかも登場。序盤はコミカルなんですが、終盤に近づくとそのコミカルさを活かしつつ、王道的な展開に持っていく様子はとても楽しめました。序盤まででやめてしまうのと、通しプレイしていくのとだと大きく評価が変わりそうなイメージを受ける作品だとおもいます。

それゆえ、気になった点が二点ほど。まずは紹介文章。サンプルゲームという主旨で書いてあったのは、ちょっともったいないなぁということ。普通に遊べるレベルですし、プラグインが引き立っているようなわけでもないので、プラグインサンプル以外のところも書いたほうがもっと楽しんでもらえそうなのになぁと思いました。

コミカルさと王道がバランスよくまとまっていますし、ゲームとしてもしっかりとしてた印象があるので、一般ユーザー向けにも楽しめるような文言を入れていないのは。一般ユーザーお断りな感じにも見えますし、プラグインの機能だけを知りたい人にはイメージと違う感じに伝わってしまう可能性も高そうだなぁと感じました。

もう一つはセーブポイントのタイミング。セーブは各章の合間にしかできない仕様です。今回プレイ時間1時間半ぐらいだったのですが、数分で終わるものもあれば、やり方がわからないと10分以上掛かるものもあったんですよね。25分ぐらい掛かった最終章も同じようなセーブ仕様になっていたりして、詰まってしまったときはちょっと途中で休みたいなぁと思うことも。

選択ミスるとクリアできない?っぽいところもあったのでそういう仕様になっているのかもしれないのですが、全体的にライトなコミカルモノという感じでしたし、もうちょっとセーブポイントは自由にできると嬉しかったかなぁと思いました。ゲームオーバー後のコンティニューや王様の部屋ではセーブできると嬉しかったかも。

とはいえ、全体的にはサクサクとライトな笑いも含んだ王道感もあり、次へ次へと楽しんでしまいたくなるような作品でした。個人的には1章ずつ楽しむよりかは、2~3章ずつ楽しんで少ない日数で楽しむほうがより魅力を感じられる可能性の高いフリーゲームなんじゃないかなぁと思います。

まとめ


ヒントを元に同じ世界を異なる方法で攻略していくゲーム性に「ネタバレ」や「多彩な攻略手順」を入れてコミカルさを描きつつ、最後はそれらのネタをもうまく組み込んでライトな王道ゲームと仕上げているユーモア溢れるフリーゲーム。

プラグインのサンプルゲームのようにみえる説明と、ヒントを元にクリアしていくという内容で簡易なものに見えるかもしれませんが、多彩な攻略法と終盤への結びつけは丁寧で、プレイ時間を重ねていくとと魅力がより感じられるような作品だとおもいます。

全体を通じてみると、コミカルよりなのでちょっとしたゲーム感を味わいつつも、ネタが仕掛けられているような作品が好きなフリーゲームプレイヤーさんにお勧めなフリーゲームだと思います。

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