魔王と勇者の戦闘……。
多くのRPGでは、重大な山場として、迎えられる作品が多いことでしょう。
今作はそんな魔王と勇者の最後の戦い、まさに物語のラストバトルを、
緩いコミカルさで描いている「ファイナルバトル」を紹介します。
ファイナルバトルはMaster.typeXさんが
2016年12月にRPGアツマールで公開された超短編ADVです。
勇者ハロルド(名前変更可能)と魔王の最終決戦を
ネタ感あふれる会話で描いています。
RPGツクール製の作品ですが、戦闘ありません。
読み進めるだけのアドベンチャーゲームです。
一本道のRPGとなっており、選択肢もありません。
どちらかというとネタよりの作品で、2分程度で終わる文量なので、
サクッとネタ感を楽しむことができる作品です。
ラストバトルの緊張感を活かした一発ネタ
さて、本作品は短編のネタ系作品ですので、
あまりネタ出しすることが出来ないのですが……。
ラストバトルという設定を活かしているネタ感への
伏線がよく出来ている印象がありました。
冒頭は、一般的な世界観サイドにのナレーションを描きつつ、
主人公の名前変更、魔王サイドからの視点会話なども入れて、
まさに壮大な戦いが背景にあり、ついに魔王と勇者の
緊張の一戦が始まるという感覚が強く伝わってきます。
ネタ感あふれる本編までは非常に短い時間なんですが、
このテキストや演出面の上手さで、しっかりと世界観を出している
点はすごい印象です。
そんなしっかりとしたテキストを描いているからこそ、
ネタ間のギャップはまさにすっ転んでしまうような気分になリました。
短い時間で違和感なく楽しめる、超短編クラスの
くだらないネタ系作品で、あえて「クソゲーやん」と
ツッコミを入れたくなる作品です。
まとめ
ファイナルバトルというタイトルから想像できる通り、
魔王と勇者の戦いを舞台に、短い小ネタで構築した超短編読み物ゲー。
軽快なながら短編に合っている無駄のない丁寧なテキストと
演出面で世界観をしっかりと描き、一気に落として勢いで最後まで
突っ走る様子は、まさにクソゲーやん口に出してにやにやしてしまうような
コミカル感を味わえる作品でした。