年始に発表された自作ゲームフェスMVで受賞し、
つい先日第2章が発表された「異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》」。

異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》

RPGアツマールのトップなどで紹介されるケースも多いですが、
実際にプレイされたことがないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、現在公開されている第2章までを元に、
本作品の紹介と感想を掲載していこうと思います。

異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》は
2016年12月22日にらふげーむさんが公開された
推理アドベンチャーゲームです。

ニコニコ自作ゲームフェスMVでガチ部門も受賞され、
コミカライズもされています。受賞&コミカライズおめでとうございます!

ニコニコ自作ゲームフェスMVを受賞後、同年5月に
オリジナル内容で大幅リニューアル、
同年6月に第2章が公開され、本紹介記事掲載時には
まだ未完成の作品となっています。
(未完成ですが、ある程度遊べる内容になっています)

物語は死んでしまった主人公・四月一日(わたぬき)が、
女神の前で目を覚ましたところから始まります。

女神の話では、現世と異なる世界には、
魔王などによって、脅かされる世界も多く、
主人公に異世界勇者となって、世界を救う戦いを
しないかと、打診されます。

異世界勇者になる決意をした主人公。
勇者として力を得る儀式が始まりましたが……。

突如起きた問題により、言語スキル以外は得れないまま、
謎の人物によって誘拐。

屋敷のような場所で目を覚まします。

屋敷にいたのは、同じく異世界を救うために
行動していた勇者たち。どうやら彼らも謎の人物に襲われ、
この屋敷に監禁されていたようです。

そんな異世界勇者達を誘拐したキャットマンが
示したとあるゲーム、それは勇者たちによる殺し合い。

異世界勇者同士で殺人を行う。
異世界勇者を殺すことに成功したものだけが、
元の世界に戻ることができる。

ただし、一定時間後に行われる犯人当てで犯人を当てられてしまうと、
犯人だけが処刑。逆に犯人以外が間違えてしまうと、真犯人以外が
処刑になってしまうという、殺人ゲーム。

最初は協力し、キャットマンを倒すことを
誓う勇者たちですが、徐々に怪しいことも。

主人公たちは、正しい論議で生き残っていくことができるのでしょうか。

本作品は物語の進行の過程で発生する、
勇者同士による殺人事件を舞台に、
その際の証言や証拠を元に、犯人を当てていく推理ゲームです。

自由行動のパートと物語パート、推理パートがあり、
物語パートで事件が発生。すべての証拠を集めきると、
推理パートに移行していきます。

推理パートでは、異世界勇者たちの固有能力や
殺人事件が起きた後の発言、現場の怪しいポイントを選んでいく。

犯人と思われる人物を選んだり、重要なキーワードを
簡単なパズルゲームのような形で選んでいくと言った要素があります。

キャラクター達が会話していき、犯人につながる要素を選ぶと
さらにキャラクター達の会話が続いていくので、
状況に応じて適切な証拠・証言・情報を導いていき、
犯人を当てていきます。

なお、現在第2章まで公開されており、プレイ時間は2時間10分ほど。
今回最初からじっくりプレイしましたが、
以前1章クリアしたことがあり、1章の推理部分サクサクっと進めたので、
初見ユーザーであれば2時間半~3時間ほどのプレイ時間の中編規模の時間を
楽しむことができるボリュームになっています。

殺人ゲーム×異世界能力 伏線や自分なりプレイもできる読み物よりなアドベンチャーRPG


本作品は異世界勇者という、正義感と特殊能力を持った人物たちが
殺し合いをするという要素がとても個性的に感じます。

異世界の勇者たちにはそれぞれ能力があり、
どのように反映されていくのかすごくワクワクする感じを
どう利用されていくのか、序盤から想像することが可能。

能力も多彩な一方で……

教えてくれないキャラクター達も登場。
暗い感じのキャラクターだなぁ、威圧的だなぁ。
優しそうなキャラだなぁ……など。

どんな能力があるのだろうかというワクワク感と
キャラクターへの印象が序盤から感じられ、
世界観に引き込まれていくような感じがあると思います。

キャラクターも個性的なキャラから正統派までたくさん。

憎めない、可愛らしい感じのキャラも多い印象です

首謀者たちも、少しコミカルに一見みえる行動も特徴的。

一方で、犯人を当てていくパートでは、
飽きさせない感じや考えさせる仕掛けが取り入れられています。

ただ会話で選択肢を選んでいくのではなく、
色々な証拠や各キャラクターの能力などを選ぶパートや、
簡単なパズルゲームのようなシーンもあり。

命がけの論議という感じも見られる、
キャラクター同士の掛け合いなどもテンポよく演出が入り、
スピード感のある緊張感と臨場感が味わえます。

自由行動のパートでは、個別にキャラクターと
仲良くなっていくことも可能。

友好度が上がっていけば、会話後の選択肢も増えていき……

より論議のパートが優勢性になるようなスキルも取得できます。

何かありそう、伏線っぽい!というような内容も多め。

その分、複線かと思ったことが、全然関係ないんかい!
みたいなこともあるので……。

どちらかと言うと犯人を当てていくというよりかは、
議論や証拠を通じて犯人の犯行を読んでいくことが楽しめるような
体感ができる作品だと思います。

さすがコンテスト受賞作品というだけあり、
読み応えはあると思うのですが、個人的にはちょっと
議論パートはもう少しユーザーサイドに立った機能も
欲しかった感じがします。

例えば証拠を突きつける場合。
証拠の突きつけや犯人だと思う相手選択が失敗すると、
再度選ぶことになったりするのですが。

事前の展開とかを見直すことができないので、
「この証拠だろ」と思う前提で進めていくと、
間違った時に「じゃあどれだろう……」というのが
考えづらかったり。

第1章とかでは、犯人は誰だと思う?という点で
歩行グラフィックと名前だけでしかキャラが把握できなかったり。

立ち絵でインパクトがあるので、プレイ序盤で
歩行グラと名前だけで判断しろは少し酷だなぁ……と思ったり。

バックログが見れる、少し前の会話に戻れるような機能を入れる。
キャラ選択するときには立ち絵を表示するなど、
とことん遊びやすさも追求してくれると、より物語や世界観に
集中できて、更に良い感じになるんじゃないかなぁ……と思いました。

また、ちょっと伏線とかを裏切ろうとしすぎている感が多いため、
人によってはご都合主義感を感じてしまう可能性もあるかも。

途中なのでどうなっていくのかわかりませんが、
どう異世界能力や伏線のように感じられるポイントを
転がしていくのかによって大きく評価も分かれそうな
作品かなぁ……と思いました。

とはいえ、全体的には面白さも感じる作品。
推理・論理していくというよりかは、
流れに沿って物語を見ていくという感覚でプレイしていくと
楽しみやすいかなぁ……と思える作品だと思います。

まとめ


勇者×殺し合いという発想で、固有能力や背景などの伏線や
想像させるような仕掛けが多く、第二章まででもしっかりと楽しめる要素が
多い作品です。

自由行動パートで好きなキャラと仲良く慣れるなどの
自分なりのプレイもでき、想像しやすい要素も多いので、
物語を進めながら色々と想像を膨らませ、
議論パートで答え合わせをしながら物語を読んでいくような
楽しみが多い作品だと思います。

某殺人ゲーム者と類似している感もありますが、
作品自体はしっかりとしている傾向を受ける作品ですので、
某殺人ゲーム的な要素をRPGなどと同じように1ゲームジャンルとして
捉えてプレイしてみれば、誰でもプレイしやすいのではないかと思います。

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