今日紹介していく作品は、フリゲとかのタイトルで使われるのは
珍しい「(笑)」を付けつつも、現代的な世界観で、現実社会人的なメタネタ感も
入れつつ、人類代表が戦うような真面目系なストーリーも描いている
「天使を狩る者たち(笑)」です。
天使を狩る者たち(笑)は2017年6月11日に
カパパスパンさんが公開されたRPG作品です。
想定プレイ数は3時間ほどとありますが、自分は1時間5分ほどで
クリアしたので、当サイトでは短編RPGとして扱っていきます。
舞台は、人々の進歩の過程で、突如現れた
天使が人々を襲うようになった世界。
天使と戦うには条件があり、その条件を満たした
主人公たちは、会社の命令で天使たちと戦うことになります。
会社員でもある主人公たち、ユキヒコ・ナツミ・カナコ・ケントの
4人の天使との戦いの初仕事は、会社のある古宿区にある
ゲートの封鎖。
ゲートには強力な天使たちが待ち構えています。
ザコ級の天使や、操られた人々と戦いつつレベル・お金を集め、
区内にある4つのゲート閉鎖を目指していきます。
本作品はランダムエンカウントを採用、
会社を拠点として4つのエリアにあるゲートを閉じていくことが
目標となります。
大きなマップは、拠点と区内マップ、
あとは隠しショップ的な扱いの場所のみです。
マップ上にあるゲート部分を調べると、
ADV的な画面に変化し、ボス戦を行っていきます。
戦闘は、サイドビューのターン形式。
ツクールMVのデフォルトシステムとほぼ同じです。
大きな特徴としては2つほど。
一つ目は装備欄の豊富さで、武器と防具の他に
耳飾や髪飾、ネイリングなど。全部で9枠存在します。
装備によっては、特殊な効果を取得できるものや
攻撃技を覚えられるものもあります。
4つのゲートを守る天使たちは、属性をそれぞれ持っています。
属性攻撃を取得できる装備を装備する、
属性耐性をあげる防具で固めていくなど。
属性を意識することで、戦闘を有利に運ぶこともできます。
もう1点の特徴は、ドロップアイテム。
敵は天使と洗脳された敵の二方向の敵が登場し、
天使系の敵を討伐した時には換金アイテムが手に入ります。
一般の敵を倒しても数百円しか手に入りませんが、
換金アイテムをうまく売っていくことで、
装備品や回復アイテム購入につなげていけます。
装備枠が多彩ですが、装備品をドロップすることなども
あるので、雑魚を倒してレベルを上げつつ、
ドロップ品をうまく活用していくことも重要なRPGになります。
現代感も感じる緩い会社員のトーク+マジメな王道RPG感を描いたRPG
本作品はタイトルに「(笑)」と書いてありますが、
ネタに完全に走るのではなく、ところどころで現代社会人的な
ネタ会話を入れ込み、マジメなRPGをプレイしやすいように
作り上げている印象がありました。
全体としては、天使と人類が戦っているという、
現代ファンタジーらしい王道的なストーリー。
世界観に引き込むようなポイントは入念な設定を折り込みつつも、
メインのストーリーでは重要なポイントだけを丁寧に描き、
省略できるところは省略するような描写で、
NPC会話でフォローで細かい知識を提供するような形式も取られています。
NPC会話やイベント会話では、しっかりとゲーム進行に役立つような
ヒントも提供してくれるので、普通に進めて難しい!と思ってしまった
場合も、リベンジできるヒントになってくれています。
一方でNPCの会話やイベントには、ネタ感溢れるような内容も
挟んでくれています。
傾向としては青年コミックの現代社会を舞台にしたような
コミカル系作品という感じでしょうか。
ウザッちぃ社員のいるような会社を舞台にしているような
ネタ感を入れて、世界相手に戦っている感じには見えないところも。
全員、会社員という設定で、ケントさんがリーダーなんですが、
マジでケントさん大変そうでした(笑)
こういう真面目系のストーリーだと、
短い時間で色々な専門知識などの押し込みもあるのですが、
設定を深く知りたければNPCの会話を見て理解していくような感じになっていて
大筋だけで目を通しながら進めていけば、ちょくちょくネタも挟んでプレイしやすい。
ネタ感をうまく組み込んでいる印象の受ける作品でした。
作業感の軽減や世界観反映はもう少し欲しかったかも!
そんな本作品、ストーリーにゆるい感じをうまく組み込んで
遊びやすい反面、システム面や世界観とゲーム感反映面で
気になった点もあったので、ついでに書いていこうと思います。
まず1点つは作業感の軽減。
本作品、主にこの画像でレベル上げ&お金を取得し、
ボスを倒せるようにしていくというのが主な流れ。
装備品とかも色々と揃えようとすると、
何度も戦闘を行う必要があり、作業プレイみたいになるんですよね。
作業プレイ自体はRPGでのレベル上げなので、
そこまで問題はないと思うのですが……。
今作の場合は、ランダムエンカウントで登場する敵が
始終同じ。進行に合わせて変化しないので、
レベル上がれば上がるほど、戦闘回数も増えていきます。
そのため、レベルが上がるほど回転が重要になっていくのですが、
命中率が体感的に低め。1ターンで1人~2人が外すのがザラなので、
ややテンポが悪く見えてしまいます。
装備品もほとんどが序盤から変化がないので、
進んでいる・強くなっていく感が弱く感じちゃうんですよね。
もうちょっと装備品は種類豊富で小出しにされていたり、
ある程度上位の敵が出てくるエリアとかもあったり、
装備豊富ですので命中率関係の装備も用意するなど。
繰り返しプレイの中でも、成長を体感できる、効率化を考えられる
ような要素もあると、よりプレイしやすかったかなぁと思いました。
もう1点は、スキル欄。
気になった点というか、要望に近いのですが、
世界観でサラリーマンという設定だったので、
スキルにも遊びココロが欲しかったかも!
「会社の仕事として戦う」「設定が事務員とか営業とか」など
ストーリー上の設定面では活かされている感じでしたが、
ゲーム面だとあまり活かされていなかったんですよね。
ネタ系に走っていることも明記している作品でしたので、
この辺もうちょっと遊んであるとより楽しめた印象がありました。
少しこの2点がガチゲーよりで悪ノリの邪魔をしていたなぁ……
という感じもしたので、もうちょっと調整されていると
より遊びやすくなったかなぁと思いました。
まとめ
真面目系なストーリーにうまく社会人ネタなどを組み込み、
設定なども短編なりにうまくまとめ、ゆるさで遊びやすいストーリー進行も
感じられるような作品。
ややゲーム面はガチゲーよりな印象でしたので、
人を選ぶ面もあると思いますが、ゆるい社会人が会社の仕事として
戦うというのが、ストーリーに反映されていて、
ゆったりと楽しめるストーリーの作品でした。
世界観的にはネタ系のお話が楽しみたいけど、
ガッツリレベル上げなども短い時間で楽しみたい時に
おすすめできる作品かと思います。