「あのドットがよかったのに・・・」
個人的に好きなマンガのアニメ版タイトルなんですが、
ドット絵使ったレトロRPG、みなさんは好きですか?
最近は商業作品でもドット絵や8bit感の音楽で、
レトロ風を打ち出す作品も出てきていますよね。
今回はフリゲでも貴重なレトロ風RPGとして、
少しダークファンタジー的な世界観も打ち出している
「エグリマティアス」を紹介していこうと思います。
2017年4月28日にとととさんが公開された、
短編RPG作品です。
ふりーむさんではDL版が去年9月から公開されています。
この物語は、簡易的なプロローグの後、
主人公がとある洞窟から出てきたところから始まっていきます。
主人公の詳細はあまり語られませんが、
どうやら主人公にはなにかがある様子。
そんな彼は、
同じく何か雰囲気のある商人と出会います。
そんな主人公に対し、商人はある提案を行います。
それは、魔王を倒すこと。
魔王を倒すことで、いろいろな意味でこの世界に
影響をもたらすことができるようなのです。
しかし、魔王城へ行くためには、世界中の何処かにいる
精霊を倒さなければいけないとのこと。
主人公は商人から商売で支援を受けつつ、各地にいる精霊を
倒していく冒険に繰り出します。
本作品は一人パーティ制の王道的なRPG作品。
推奨プレイ時間1時間とありますが、自分は本編32分ほど、
本編クリア後に行けるエンディングまで見て40分ほどでクリア。
戦闘はランダムエンカウント採用。
フロントビューのターン制です。
特徴としては、ダンジョンがありません。
ワンマップで構成されており、ボスがいる場所に到着すると
すぐに会話イベントが発生して、戦闘になります。
すごく昔のRPGや初期の頃のガラケーRPGだと
よく見られていたシステムで、この辺もレトロ感が味わえます
レトロな雰囲気に遊びやすさ シナリオは好き嫌いが別れるかも
本作品はレトロな雰囲気をマップや音楽、
システムで採用しつつ、ストレスが溜まりそうなポイントは
しっかりと現代風にアレンジされている印象で
作り上げている点は非常に好感が持てました。
ランダムエンカウントを採用し、世界観はドット絵風となると、
エンカウント率も非常に高かったり、移動速度が極端に遅かったりする
作品もあるのですが、移動速度は早めに設定してあり、
マップの広さに合わせてエンカウント率も適度な感じに調整されてる印象。
レベル上げも序盤と、2つめのボスぐらいで少し意識して
戦闘すればいいレベル。
また、ヒントとして目安のレベルも表示してくれるので、
この辺も親切な感じ。レトロの魅力を残しつつ、
現代ユーザーでも楽しめるような心意気を感じられます。
ストーリーの手法は面白い一方で少し好き嫌いは分かれそう。
最初から最後までプレイヤーに想像させる傾向で作り上げています。
冒頭から何かありそう!どういうこと?
というのが続いていく印象ですので、進めるほど色々な
想像ができたりするので、色々と仮設や妄想を脳内で
構築していくことができるのが面白いポイントだと思います。
一方で、世界観自体がそういった雰囲気で統一されている印象。
タイトルとかの意味まで含めて一つの作品として
仕上げている感じも受けたので、ゲームプレイだけで全てが完結する
ような作品が好きな方だと、ちょっともやもやが残っちゃうかも。
エンディングもこの何かありそうな雰囲気と同じで
なにかある感を上手く作り出している感じになっていたので、
終わりまで波を感じにくい人もいるかも。
個人的にはエンディングも読ませて想像させる感が出ており、
やや伏線や全体を考えると地味な印象に見えたかも。
もっと終わりは残虐なダーク感をインパクトある文言で描くか、
壁画のようなレベルの視覚的な要素もちょろっと入れてあるとあれば、
種まきした想像への刺激をよりユーザーに強く与えられて、
より記憶に残りやすくなったんじゃないかなぁ……と思いました。
あとはアイテムで回復しなければいけなかったのがちりも積もればで
少々手間に感じたので、宿屋的な要素もほしかったかも。
設定的にあえて宿屋は採用してなかったのかもしれませんが、
例えば回復の泉とか、商人に有料で回復してもらうとかで
この辺は現代的なアレンジとしての代行手段が欲しかった気がしました。
とはいえ、全体としてはレトロな雰囲気に何かあると思わせる
歯車をうまく噛ませつつ、プレイしやすさにも意識が回っている
独創性の高いRPGだと思いました。
まとめ
冒頭から主人公の背景を語らせず、少しずつ出会う相手との
会話を重ねて、プレイヤーに少しずつ意識を植え付けていく点は、
ホラーゲームのような「何かでそう!」というような要素に近く、
どんな出来事が待ち受けているのだろうとワクワクさせてくれる
気持ちを作り出してくれ、独創的に感じるストーリーを感じられる作品。
オチもそんな雰囲気を残しつつ描いている印象だったので、
やや独創的なテンションが続くゆえ、好き嫌いが別れる雰囲気の作品でも
あるのではないかと思います。
ドット絵の世界を全面的に出していますが、
レトロゲー以外にもダークファンタジーとか、猟奇的な
内容が好きな人とかでも遊びやすいRPGではないかと思います。