今日紹介していくフリーゲームは、
猫と人間の体が入れ替わるというストーリー展開で
２つの家族愛を描いた短編フリーゲームの
「True　～ラブレター～」です。

True　～ラブレター～ [短編]

2017年7月10日にviolet aquaさんが
RPGアツマールで公開された、12～13分程でクリアできる
短編アドベンチャーゲームです。

アクションパートもありますが、シナリオ重視で
読みパートも多いので、今回はアドベンチャーゲームとして
分類し、ご紹介していきます。

物語は、猫のセナが病院へと急いで走る姿から始まっていきます。
彼に対して、時折話しかけてくれた人間、冴子が入院。

手術すれば治る見込みがありますが、
息子・達也からの承諾がなければ手術が実行できません。

しかし、病院の話によれば、
承認が取れない状態であるとのこと。

事情を知るセナは、なんとか説得したいところですが、
猫の姿では人間の言葉が話せず説得できません。

そんなセナは、たまたま出会った謎の猫達によって、
「同じ想い」を持つ人間と入れ替われる方法を知ります。

なんとか冴子を助けるため、駆け走るセナは
家を飛び出し、川辺を歩いていた直人とすれ違います。

「俺と代わってくれよ」

財布もなく、社会の壁ともぶつかっていた直人が、
ふとセナを見て猫と代わりたいと思った瞬間。

直人とセナの姿が入れ替わります。

人命がかかっているというセナの懇願。
そして猫の姿であれば一度自宅に戻れると思った直人。

夕方までの6時間。
二人は入れ替わった姿で行動をしていきます。

入れ替わった二人は、それぞれの目的を
こなすことができるのでしょうか。

入れ替わりによって理解する ２つの家族から繋がる友情


本作品は動物と体が入れ替わるというシチュエーションの元、
２つの家族の絆から、間接的に友情が深まっていくストーリーが
面白く感じました。

メインは冒頭から描かれている、
セナが駆け巡る「冴子」の家族のお話。

本作のきっかけでもある冴子の家族では、
なんとか冴子を助けたいと思うセナが奔走する様子を
回想などもうまく交えつつ、人間的な心理からの抵抗も
意識しながら描いています。

ちょっとしたことからすれ違ってしまった家族。
セナの熱い説得で心動かされていく様子を楽しむことが出来ます。

一方で、中間からはもう一つの家族愛も登場。
この家族愛は冴子の家族とは違うようなアプローチで
感じていくようなストーリーを描いていきます。

この２つの家族愛を関し焦るようなストーリー展開が
セナと直人を最終的に強く結びつけるような構成にも
なっており、最終的には「愛されること」を違った方向
２つから感じていくようなことができる気がしました。

ちょっと気になった点としては、
場面転換が多いことでしょうか。

多分キャラクター達の要素を詰め込もうとしていたゆえに、
短時間で色々な場面、キャラクター視点へとの切り替わりが多く、
場面転換が多く、ちょっと忙しく見えてしまう印象もありました。

多分時系列通りに描こうというリアル感が
強く出ていたからだと思うので、
この辺はもうちょっとゲームらしく落とし込んだ方が、
より集中して物語を読み進めやすくなったのではないかと思いました。

まとめ


２つの家族愛を感じられるようなアプローチのストーリーから
友情的な愛も感じられるような印象の短編アドベンチャーゲーム。

想いの強さみたいなのを感じることができ、
恋人同士の愛というよりかは、家族の絆や愛を感じられる
作品だと思うので、田舎から上京されている方や
家族とのトラブルを引きずって後悔している方などだと
色々と共感できるポイントも多いのではないかと思います。

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