今日紹介していくRPGはメインストーリー
フルボイス仕様という、珍しい特徴を持ちつつ
王道感のあるRPGを楽しめる「InfinityStory」です。
2016年12月20日にすふぃあさんが公開された中編RPG作品。
ランダムエンカウント・サイドビューのATB形式戦闘を採用した
純粋なRPG作品になっています。
プレイ時間目安は4時間ちょっとですが、
自分は一周目クリアが3時間33分。
難易度調整や自由度の高いステータス育成ができるので、
3時間~5時間ぐらいの中編規模の作品だと思います。
物語は、主人公・ラルフとラルフと同じ村に住むアリスが
森に狩りへと向かう場面から始まります。
いつものように狩りへとやってきた主人公たちですが、
罠に掛っていたのは謎の女性。
ある人物に追われているそうです。
そんな彼女と会話をしていると、村の方で異変が。
村へと戻るラルフ達の目の前には、滅びた村が。
森で出会った女性を追いかけてきた男によって、村は壊滅されていたのです。
そして、その漢によって
森で出会った女性も連れ去られてしまいます。
村の生き残りになったラルフとアリス。
村を焼いた男を倒すため、冒険を始めていきますが……。
男の情報を集めながら冒険する過程で問題なども起きていきます。
そして、復讐のために男を探して旅立ったその冒険は、
過去の伝説にも関連が……?
ラルフとアリスの二人旅が始まります。
本作品はマップ上を歩いていると確率で戦闘が始まる
ランダムエンカウントを採用。
各キャラに割り振られたゲージがたまったキャラクターから
行動をしていくことができるアクティブタイムバトルを採用している
RPG作品になります。
ランダムエンカウントの作品ですが、
エンカウント率は気持ち高いかな?と思うぐらいです。
序盤は少し敵が固く感じるかもしれませんが、
中盤ぐらいからテンポよく倒せるかな?という感じ。
スーファミ世代とかの人間であれば問題ないと思いますが、
最近のゆるいフリゲ慣れしてるとテンポ悪く感じる恐れも。
常時オプションから難易度選択ができるので、
うまく調整しながら進めると良いと思います。
細かいシステムがいくつかあるので、この後の項目で
別途紹介していきますが、全体的には王道的なRPG感が味わえます。
村の復讐のために旅立った男女が、様々な人物に出会ったり、
彼らの冒険を阻むような出来事が起きたり。
その過程で、より仲を深めていくような世界観が楽しめます。
▲キャラクター同士の会話が出るようなシステムもあるので、キャラクター一人一人の雰囲気をつかみ取りやすくなっています
また、メンバーは基本2人以上パーティ。
最終的には出撃メンバー4人を選択していく、
戦闘中に切り替えもできるようになります。
色々なタイプのキャラクターがいるので、
状況や戦略に合わせたパーティ編成を楽しんでいくこともできます。
自由度×王道感 直感的に遊びやすいこれぞRPGという感覚のフリゲ
本作品は自由度と王道感を程よく感じれるような要素が
詰まっている印象がありました。
いくつか特徴的なシステムを紹介します。
まずはキャラクターのステータス育成。
レベルが上がるとSPというポイントが手に入り、
自由に能力値を割り振ることが出来ます。
魔法使いであれば、魔法の手数を増やすためにAP(一般RPGで言うMP)を
増やすような成長方法もあれば、一撃を増やすために魔法攻撃を上げる、
打たれ弱さを防ぐためにHPや防御に割り振るなど……。
自分のプレイスタイルやパーティの傾向によって
変化させていくことが出来ます。
自分なんかは、ガチな攻撃系で進めることが多かったので、
攻撃キャラは機敏を上げて回転を良くしているキャラ、
一撃を重く与えるために攻撃を中心にあげていくキャラで
スタメンは意識して割り振りしていきました。
逆に控えにいる回復キャラなんかは、アタッカーがやられた時に
すぐ回復できるように機敏で素早く回すようにしつつ、
やられないようにHPや防御も割り振る……という成長の仕方を。
どちらかというと、ボス戦などの強敵相手には、
戦闘中のメンバー変更を使うこと前提にしている
育成方法で楽しみました。
上昇させた能力は減少させてSPに戻すことも可能。
本作品は中盤から一気に仲間が増えていくのですが、
仲間が増えた時やどう上げていくか迷ったときにも
気軽にステータスの割り振りをしていくことができます。
もう一つの大きなシステムは熟練度システム。
一つ一つの技には熟練度が設定されており、
強力な技を使っていくのもありですが、地道に弱い技で
熟練度を上げていくという戦略を取ることも可能です。
シンプルなシステムが多く見えるかもしれませんが、
最終的には色々な方向性のキャラも仲間になるため、
パーティ編成なども併せると自分なりのプレイを複雑すぎず
自由度も意識できながら楽しんでいくことができます。
一方で、王道的なRPG感も抑えてくれているのが良い点。
歩き出すと壁にぶつかるまで止まることが出来ない氷の床や……。
ツボや棚を調べるとアイテムが手に入る、ドラクエ的な機能も。
フリゲの場合は街に置かれた壺や棚でアイテムが手に入る機能があるものの、
充実しているのは序盤だけ……みたいなことも多いんですが。
InfinityStoryは、最後の村までしっかりと
アイテムを置いてくれているため、街探索する楽しみもあります。
終盤には闘技場のようなシステムもありますし……。
一部キャラの最強装備が手に入るようなイベントも。
細かい点が多いですが、こういうRPGらしい仕掛けは
王道感を味わえてとても楽しめました。
物語も冒険の過程で色々な問題に出会ったり、
復讐だけのはずが大きな問題にもつながっていく点は
ザ・RPGという感じでした。
ボイスはどうしてもプラウザ版でやや音質悪いキャラもいるなぁ……
という感じはありましたが、プレイ重ねるとそこまで気になりませんでしたし、
戦闘時にもスキル発動や勝利時にしゃべってくれたりするので、
全体的にはプラス面の多さを感じることができます。
王道ながらも、ボス戦前に回復ポイントが置いてあるという
ストレスの溜まりにくい仕掛けも入れている点は
多くのプレイヤーを取り入れたいという気持ちが伝わってきました。
全体的には王道的なRPGを楽しみつつ、
複雑すぎない範囲で自由度が感じられ、ストレスが溜まりそうな
ポイントも多かった印象です。
ちょっと気になった点をあげるなら、多分2点だけ。
一つはちょっと伏線が少ないなぁ……と思ったこと。
物語を通じて、色々な事象や衝撃的な事実と出会っていきます。
ある程度もしかしたら定番的にはこういう展開なんじゃないかなぁ……
という想像はできるのですが。
作内では、事象が起きてからそれを補完説明していくような構成が多く、
プレイヤーに予想させるようなヒントが少ない気がしました。
例えばこのキャラクターが一番わかり易いと思うのですが、
村が壊滅させられた、もう頼れる人もいないしとりあえず王都へ……
という物語から始まり、進行していく過程でこの人物が現れて、
村の関係者がいることが判明するような感じだったりするんですよね。
突然種族的な問題がメインストーリーに出てくるようなことも。
いい感じにテンポよくストーリーが進んでいくので、
すごく気になる感じではないのですが、
例えば村人などに話しかけると関連した内容を教えてくれるような
ポイントももう少し割り振ってあると、
「あの台詞は関連してたんだ!」「もしかしてこの設定は後で出てくるのかも!」
みたいな楽しみもより生まれてきた気がしました。
もう1点は、初心者向けの解説部分。
今作、育成要素も程よく入り、属性や異常状態のバランスも
非常によく出来ているような印象がありました。
初心者でもわかりやすいように色々と解説してくれてるのですが……。
基本的な設定は燃えてしまう村で教えてくれるので、
メインストーリーが始まってしまうと再確認できなかったり。
有効属性とかがまとめられた本が置かれている場所が中盤だったりと。
丁寧に説明してくれているのですが、
配置場所がもったいないなぁ……と思いました。
回復ポイントとかを用意するなど、ストレスフリーにも
務めていたので、システム解説がいつでも見れるような
アイテムなどもあって、いつでも確認できるような要素もあると、
より初心者でも遊びやすい気がしました。
とはいえ、全体的にはストレスなども感じなかったので、
いいバランスで自由度と王道が組み合わさっているRPGを楽しむことができました。
まとめ
復讐から始まる冒険が、少しずつ大きな問題に繋がる一方で
主人公の明るさ、様々な人々との出会いがテンポよく進み、
難しすぎない範囲で楽しめる自由度もある。
バランスのよく取れた一方で、ガッツリとしたRPGも
楽しむことができる作品でした。
王道的な主人公もののRPGを楽しみながらも、
ルールを覚えなければいけないような要素も少なく、
直感的にも遊びやすい。
演出も丁寧ですし、ボイスによって視覚だけではなく
聴覚でも楽しめるようになっているので、
ザ・王道的なRPGを楽しみたい時に向いている作品です。
なお、一応物語が完結方向ですが、
次の作品があることを前提に作られている
エンディングになっています。
完全に物語を完結している作品が好きな方は
ちょっと注意かなぁ……とは思います。
あまり説明書などを読まずにプレイでき、
気軽にRPG始めたいけど、サクサクゲーは嫌だ、
王道感を味わえるストーリーが楽しみたい!
という時に遊んで欲しいフリーゲームです。